ネタバレ満載👆映画『窮鼠はチーズの夢を見る』感想と妄想 しょうがないじゃん出逢いたかったふたりだもん

ネタバレだらけ映画の感想
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ざっくりあらすじ

(敬称略)

独身時代から大伴恭一(大倉忠義)は、自分に好意を抱く女性ばかりと、成り行き任せに付き合ってきた。そんなある日、恭一の妻から浮気調査を依頼された大学の後輩である今ヶ瀬渉(成田凌)が恭一の前に現れる。浮気の証拠を突き付けられた恭一は、今ヶ瀬から出された『浮気を報告しないための交換条件』を呑んでしまう。

今ヶ瀬の狡猾な条件であるキスから始まったふたりだったが、恭一の離婚成立後今ヶ瀬に押されるまま一緒に暮らすようになる。今ヶ瀬は恭一への狂おしい気持ち抑えたまま、恭一は今ヶ瀬の気持ちを知っていながら、いびつな心の距離感の中でふたりは生活を共にしていた。

恭一の大学時代の恋人であった夏生(さとうほなみ)の出現と、恭一の会社の後輩であり恭一を純粋に慕うたまき(吉田志織)の存在が、ふたりの真の姿を明らかにしていく。

恭一の瞳👆注意!!しょっぱなからラストのネタバレしてる感想と妄想

原作の漫画は未読です。

注意あくまでも映画『窮鼠はチーズの夢を見る』を観た感想及び妄想です。

ラストのネタバレから感想は始まります。

ラストのネタバレから感想は始まります。

ラストのネタバレから感想は始まります。

 

もう、いい?

 

 

映画が終わり劇場内が明るくなった時の私は、くすぐったいような嬉しいような気持になっていた。

だって、ハッピーエンドしか想像できないんだもん。ふたりはこれから先ずっと、寄り添って愛し合って暮らす。

 

『流され侍』と夏生に指摘される程、恭一は自分に好意を持って寄ってくる女性と、流されるように関係してきた。

自分から一方的に別れなど言えない。流されて自主性が無くて、女性という札を失う寂しさに怯えてる。

力なく、でも「何か」を求めて。

今ヶ瀬への愛に覚悟を持つまでの恭一の瞳はとても空疎に揺らめいて、まるで蜃気楼のようだった。

 

恭一と今ヶ瀬、

ふたりは運命の相手だったんだ。

 

運命の相手と出会うと、ふたり同時か、どちらか一方は必ず分かるらしい。

だから今ヶ瀬は、恭一をひと目見た時から恋に落ち、7年の時が過ぎても忘れられなかった。恭一の元妻が今ヶ瀬の興信所に浮気の調査依頼したのだって、運命がふたりを引き寄せたから。

恭一が『流され侍』であるのも、今ヶ瀬がゲイであるのも、ふたりが出会うため。

 

映画『鎌倉物語』を思い出した。

『鎌倉物語』に登場する主人公とその妻は、生まれ変わる度にお互いを求めあい、何度も愛し合って結ばれていた。『しかし、主人公の妻に惚れ込んでいた黄泉の国に住む魔王は、そんなふたりに嫉妬して、もう二度と夫婦にならないように歳を離して生まれ変わらせた』というくだり。

もしかしたら恭一か今ヶ瀬のどちらかが、黄泉の国に住む魔王から一方的に惚れられていて、もう二度と夫婦にならないように、性別を同じくして生まれ変わらせた、とか。

それか、「どうか、次に生まれ変わっても二人を出逢わせて下さい!」って神様にお願いして、あまりにも執拗に願うから、真実の心なのか?と同性に生まれ変わらせた、とか。

 

流されるままで自分からは別れを告げられなかった恭一が、たまきとの別れを今ヶ瀬に宣言した翌日には、たまきにハッキリと別れを告げている。

覚悟をたたえた瞳で。

 

飢えを満たすような快楽ではない、魂がひとつになる、融合するような愛を知った恭一は、もう『流され侍』になることは無いと思う。

今ヶ瀬が恭一の部屋を黙って出る前にゴミ箱へ捨てた灰皿を洗い、彼がいつも座っていた椅子に腰かける恭一の顔には、憑き物が落ちたような清々しさがあり、そして、その瞳は煌めいていた。

恭一は知っている。

叱られた子犬のような表情で、今ヶ瀬が自分のもとに帰ってくることを。ふたりがこの先も、ずっと一緒に過ごすだろうことも。

 

この『窮鼠はチーズの夢を見る』を観て、もうひとつ思い出したことがある。

以前、清水寺で遭遇したカップルのこと。

そのカップルは『清水の舞台』を出て直ぐにある、縁結びで有名な地主神社に向かっていた。男性同士のカップルで、黒髪の男性はTシャツにジーパン姿、長い金髪の男性は黄色いブラウスにピンクのパンツ姿だった。手をしっかりと繋いで歩き、顔を見合わせれば微笑みあい、ふたりの仲の良さが窺われた。

行き交う観光客の中にあっても目立ってしまうふたりを見て、驚いたり凝視したりする人もいた。

この映画のいちシーンのように。

自分たちを見る人々の反応に怯んだ長い金髪の男性が、繋がれた手を離そうとした時、黒髪の男性がギュッと強く握り返した。そして金髪の男性に微笑みかけ、もう1度強く握り返した。

「問題はあるかもしれない、けれど、絶対に手放さない」そんな声が聞こえた気がした。

~かっこいい~

素直にそう思った。

心を打たれた。

そして、

今ヶ瀬を待つ恭一からも、同じことを感じた。

 

 

悩んで苦しんで紆余曲折があった。けれど、みんなそれぞれの道へと進む結果になっている。

恭一の元妻だって恭一と結婚しなければ、共に生きたいと思う好きな男性と出逢うこともなかった。恭一と今ヶ瀬は強い磁石のように惹かれあっていて、この先も変わることは無い。たまきが、もし恭一と結婚したら地獄を見ることになった。彼女の心は腐敗し骨の髄まで傷つけられた挙句に、2度目の離婚になるのは火を見るよりも明らか。あのまま恭一と別れた方が彼女の純粋な人柄は保たれ、幸せな結婚をすると思う。

 

ハッピーエンドしか想像出来ない。

素敵な映画を観たなぁ。

 

従来の映画やドラマなら『今ヶ瀬が恭一の元に戻って、寄り添いあいながら暮らしていくことになりました。・・・・end』って、最後はなるんだろうなぁ。

そのhappy endまでの、ほんの少し前でendにするって、こんな終わり方もいいね。

 

ところで、渉👈サンズイがあるでしょ?

恭一の恭にサンズイを付けると『添う』になるのよね。で、波のパンフレットと、重要な海のシーン。『添う一生』

ふたりの将来みたいだね。

 

 

追伸

劇場内にある上映作品の中で、

この映画だけ赤色の記号がありました。

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