まさかこの映画を観て泣けるとは思わなかった
昨年(2019年)の第42回日本アカデミー賞において4部門で最優秀賞を受賞し、優秀賞では最多12部門を受賞した映画『孤狼の血』。
観た人が「面白かった、良かった」と絶賛する、太鼓判押しまくりの『孤狼の血』をやっと観た。(ビビリだから、怖そう痛そう(゚Д゚;)作品は避ける傾向にある)
鑑賞後の感想👇。
(; ・`д・´)「むっちゃ何度も目を瞑ったけれど、圧倒された!面白かった✊!!。
ノンストップで飽きる暇なんて1ミリもなかった」
何度も目を瞑った。だってホント痛そうなんだもん。怖いんだもん。レベル【R15】だし。R18でもよくない?って思うくらい凝視出来ない場面がいっぱいあった。
が、
だがしかし!この映画は面白かった!!。
怖がりビビリでも、苦手を乗り越えて観るが価値ある。
演じられている演技派職人玄人役者陣の、そりゃまぁ😨恐ろしいこと。
冒頭から、あの、あの竹野内豊さんが冷酷非情に指チョンパ✂🌟するシーンから始まって、😖ぎょわわわわっ💦ってなった。
果たして私は、この評価が高いらしい映画を最後まで観られるだろうかと心配した。
心配したことも瞬時に忘れたけど。
あ、でも💧終盤の便器に生首ゴロンとかその前とか、うん、終盤の血がドバドバ場面は指の隙間から&薄目で♪率が多かった😅。
(中盤もあった、ん?全般か?)
でも、観て良かった。また観るかも。
だって、
チョー💦怖いけれど、人物の描き方や圧倒される怒涛の展開に引き込まれていったから。
竹野内豊さんって、あんなに麗しくカッチョイイ💖男性なのに汚れ役も出来るのよね。映画『彼女がその名を知らない鳥たち』でのクズ男ぶりも「そりゃ殺られるわ💧」って思うクズっぷりだったもん。
この映画の竹野内さん、加古村組の野崎は竹野内さんじゃないっ!!(そして、良かった✊✨)
あらすじは、(敬称略)
架空の町である呉原市を昔から仕切っている尾谷組と、広島市から勢力拡大を狙う五十子会・加古組との抗争と、マル暴担当で軌道を逸する名うての刑事(大上/役所広司)と広島大学卒でキャリアの新米刑事(日岡/松坂桃李)がそれに絡んでいくお話です。
ノンストップで怒涛の展開、だけじゃない。
登場する男たち、女たちに気を呑まれる。
甘ちゃんなんて生息できない世界がある。
綱の上で一歩踏み外したら終わり。方法を間違えたら終わり。気後れしたら終わり。
取るか取られるか。
殺るか殺られるか。
共存のバランスが崩れ血が流れる。
「辛抱できない性分じゃけえ、ワシら極道になったんじゃ」
尾谷組の一ノ瀬(江口洋介)が言う👆この言葉に、深く納得する。
共存して生きていく方法なのかな、と。
一ノ瀬はまた、こうも言ってる。
「極道は顔で飯食うとるんじゃ!顔に糞塗りたくられて、そのままゆう訳いくか」
絶対に譲れない核。
大上は尾谷組の激昂を認めつつ、対立する五十子会会長への説得を試みる。
でも、大上が力を尽くしても、勢力拡大を目論む側がそう簡単に諦めるわけないよね。いや、外堀埋めて力尽くで目的を果たそうとするね。
しかも、大上と折り合いを付けながら手を握ってきた尾谷組とは違い、五十子会・加古組にとっての大上はなんの義理も情もない人間だ。
それはきっと、大上も分かっていた。
殺される可能性が高いことも分かっていた。
やくざからお金を受け取り、放火、住居侵入、窃盗と違法捜査を乱用し、対象者に対しての容赦ない暴力をふるう大上に、日岡は嫌悪感を抱いていた。上司のスパイとなり、大上の情報を渡していたのも彼を職場から追放したい一心からだった。
思い込みは若さとか年齢に関係ないと思う。
相手の奥にある仁慈に気付かず、憤りの感情のみになること。偏見は、老若男女問わずある。
そして、取り戻せなくなってから真実を知るほど慚愧に堪えないことはない。
日岡が大上の真の姿を知るのは、大上が五十子会に殺害された後だった。
二度と会えなくなってから。
ここから、泣けた。
『孤狼の血』を観て泣くとは思わなかった。
大上の生き方が切なくて尊くて涙がこぼれた。
大上の遺体には十数か所も刺し傷があったのにも拘らず、五十子会と関係のあった警察は事件性のない自殺と発表した。
「結局みんな保身しか考えとらんのですね」
日岡のこの言葉から、大上の真の姿が明かされることになる。
大上は誰も殺していないし、子供を刑務所で産ませるわけにはいかなかった。大上は手を伸ばし、救い上げただけだった。
思い返すと大上は、幼い子供や若い青年へはいつも笑顔と親愛を向けていた。いつだって相手の立場を理解しようとしていた。いつだって精一杯に訴えていた。
自分の保身の為だけだったら、もっとうまく立ち回り命を懸けたりしなかっただろう。
牙をむくのは、容赦ない対象だけだった。
市井に暮らす人々。
ご飯を食べて、仕事をして、笑ったり落ち込んだりして日々を暮らす。我慢ならない性分でも、居場所があって今日も明日も生きていく。大上はたとえ誰にも理解されない方法であっても、ひたすらに守りたいものを守りたかった。
たった1匹の戦いだとしても。
彼の死でハッキリとしたことがある。
大上の激しくも切ない情は、周囲の人間に仲間に奥深く浸透していたということ。大上の死は深い悲しみと深い怒りに変わって、物語は終結へと一気に進む。
大上を受け継いでいくだろう日岡の表情から恐怖を感じるのは、先にある道が鬼気迫るものだから。猟奇的で助けの無い、孤狼の道だから。
狼は獰猛な印象ばかりが強いけれど、実は愛情が深い動物だといわれている。
大上はたった一人でも立ち向かう、孤狼そのものだった。
~偽悪(ぎあく)とは~
心にある真実を隠し、あえて悪を装うこと。
大上が絶対に譲れなかった核は、
【堅気(かたぎ)たちの生活】。