空気を読み過ぎて気を使い過ぎて押し潰された凪のお暇(おいとま)
~ネタバレ満載注意です~
(敬称略)
『凪のお暇』👇ざっくりあらすじ
「敏感に人の感情を察知し空気を読み過ぎて、振り回され押しつぶされた主人公『大島 凪/おおしま なぎ』がお暇(おいとま)、全てを投げ捨て自分を再生していく物語」
まず、素直になれない愛情表現がド下手な拗らせ男の高橋一生と、闇沼女たらしで闇落ち被害者を量産させる中村倫也から愛されるという設定の主人公(黒木 華)って、いいな。(そっち?)
ドラマに登場する凪がお暇(おいとま)の場に選んだボロアパートの住人や、凪と友情を育む坂本も、凪と同様に世間や人に対する悩みや弱さを抱えていて、それぞれが最終回までに立ち上がって進んでいく姿が気持ちいい。話は意外な展開ばかりで、あっちっこっちに跳ねる。面白い!からストンっといきなり落ちたり、また上がったり。
初回だけの話でも高橋一生演じる『慎二』の印象が二転三転する。裏表があって凪を嘲弄する嫌な奴だと思いきや、最後には切なく可愛い男だったと判明し、😵えぇぇぇ!!って驚く。そして中村倫也演じる『ゴン』は、最初から魔力ドストライク💖で攻めてくる注意。ヤバい、注意。
物語に登場してくる人の悪口や噂話が大好きで、言葉巧みに対象者を小馬鹿にして楽しむ女性たち。いるねぇ。原作の漫画は読んでいないけれど、もう、表現が台詞がいやらしく上手い!!こんな女性って、いる。そんなに多くないけれど、存在している。
女性だけじゃない、
男性にもいる。
多くないけどいる、遭遇したら厄介な人。
要求を押し付けて感情で操る母親に育てられ、空気を敏感に察知し過ぎる大人になった凪にとっては怖い相手。いつも緊張して心が締め付けられる相手。おまけに救いの存在である筈の恋人慎二に対しても常に気を使い、心が休まらない。決定打は慎二が同僚に放った、愛情のない言葉を聞いてしまったこと。
母親、恋人、同僚、四方八方の空気を読んで安らぎがない。眠っている時以外は気を使う生活って、疲れる。疲れ過ぎると弱る。弱っているから疲れが重くなる。そしてまた弱る。弱って弱って、息が苦しくなる。
で、
『お暇(おいとま)』を決断した凪は偉い!!
この決断があったからこそ、再生のための出会いが生まれ道筋が見えてきたんじゃないかな。
落ちた時に、
妙な力が湧いてくることない?
覚醒の時だ!進め!みたいな。
それはきっと、
何かから背中を押された時。
慎二もゴンも凪は選ばなかった
最終回で凪は、自分への愛の証として女性関係を全て断ち一途に想ってくれるゴンも、愛情表現は不器用だけれど、お暇(おいとま)中に転ぶ自分を何度も救ってくれた慎二も選ばなかった。
ゴンはともかく、慎二との未来を選ばなかったのは残念だった。当初は。でもよく考えると、分かる気がする。
ゴンの魅力は魔力的だからこそ、生き生きと未来を歩く凪を想像できない。活力を奪われそう。自分が光れない相手は違う。未来に向かって進みたがっている凪にゴンは合わない。
&
〖因果応報〗
振られたゴンを見てこの四文字が浮かんだのは、私だけだろうか。だろうか。それと、凪と別れた後のゴンは日に日に元の『メンヘラ製造機』に戻っていくと思う。そんな感じがする。
自分の未来に慎二はいないと言って、凪は慎二と別れた。慎二は唯一感情をぶちまけられる凪が必要だった。いなくなっても忘れられなくて、求めて探すほど想いはあったのに、凪を感情の捌け口にしていた。対する凪だって、お暇(おいとま)前まで慎二と付き合っていた理由は、『有能で周囲の評価も高い慎二と結婚すれば、自分を下に見てきた人たちを見返せるから』だった。別れてから確信した「好きじゃなかった」という感情は、凪が慎二に何度救われても変わらなかった。だから凪の未来に慎二が見えない、いない。
でもなぁ、
凪と慎二って結局結ばれそう。
勝手な解釈なんだけど。
凪の親友となった坂本さんが慎二の兄の慎一の彼女になったし、凪の置いていった豆苗を慎二が全部切って料理した、けれど、根は捨ててないんだよね。凪がお暇(おいとま)期間中に再生されていくのと並行して、慎二も再生されていったし。互いが互いの再生への力になっている。坂本さん繋がりで縁はまだ切れていないところを見ると、二人はまた出会いそう。その時がちゃんと結ばれる時じゃないかな。
ドラマのなかで、凪と同じアパートに住むおばあさん(三田佳子)が凪に言った言葉。
「そっちの方が楽しくない?」
これは私が時々子供に言う言葉。伝えたい時に言っている言葉だから、聞いたとき嬉しくなった。「そっちの方」って、「幸せな方」だから。
面白いドラマだったなぁ。一日一話のつもりが、堪らず五話からイッキ視聴してしまった。オンタイムで観ていたら一週間が長い作品だった💖。また観ようっと。観られるから。
最後に、慎二さんに一言。
「素直で正直が一番✨」